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根管治療医のひとりごと

ラバーダム

根管治療時のラバーダムの様子

 

むかし、保険点数にもあったラバーダムですがいまはない一方で、日本ではちょっとずつ一般的になってきたんじゃないかな、と思っています。いまや患者さんのほうからラバーダムしてますか?と聞かれる時代ですね。根管治療では1900年あたりの治療動画でも素手ですが、ラバーダムはしています笑。ラテックスのものとノンラテックスのものがあるので、事前にアレルギーがある方は申し出ていただけると助かります。2011年の歯科医に向けたアンケートでは一般歯科医で必ず根管治療時にラバーダムをする歯科医師は10%未満、いまは2021年の同アンケートでは14%程度です。日本歯内療法学会の根管治療専門医では60%なんですが、個人的にはこれは100%にしてほしいですね。私が育った東京医科歯科大学歯髄生物学分野(いわゆる根管治療の科)では、ラバーダムできないような歯は治療ができないから抜歯してください。とまで徹底されていました。なので、わたしはゴムなしでは無理です。

というか、ラバーダムってなんなのかというと、、、お口の中にはたくさんの細菌がいます。それらは見た目透明な唾液にたくさんいます。またお口の中の湿度は100%(はああーって吹きかけるとガラス曇る)なので、目にはみえない水滴が無数にあります。そのなかにも細菌はいます。そんななかで歯の中のお掃除をするわけです。床に泥水が流れ、粉塵が舞うような環境の中でお掃除したってあまりきれいな感じがしませんでしょ??

なのでお口の中でオペする空間をつくるような感じです。

2006年の大学病院での患者アンケートですが、ラバーダム装着を望む患者は実に98%でした。

歯科医療としても患者さんからしても必須アイテムですよね。

 

 

 

経過観察しています

 

こんにちは。ひらの歯科の根管治療担当医です。

ちょっと今回は難しい話ですが、今回は2023年にでた

What Ultimately matters in root canal treatent success and tooth preservation: A 25-year cohort study.

という論文なんですが、なんと25年間の根管治療後の行方を追ったものです。いま40歳だったら、65歳までにどれくらいその歯が治癒しているか。ですね。結果は60%くらいは残ります。え!すくない!と思われるかもしれませんが、

治癒していない歯はしかしどういった理由なのかを考えなくてはいけません。

治癒していない理由の実に50%は破折です。つまり歯が割れてしまっている、ひびが入ってしまっているそういった理由になります。続いてかぶせ物のトラブル、根管治療の再発、歯周病によるものは大体10%台でした。また、新たなむずばによって抜歯になったのは6%。となると、根管治療したのにも関わらず治癒していないというケースは長い視点からすると、それ以外の原因をまず考えるほうが妥当ということになりますね。

あらためて治療による治癒とその後のメンテンナンスを含めた歯科衛生士さんの仕事の大切さを身に染みるとともに、

かみ合わせを含めたかぶせ物(補綴)医との連携の大切さがわかった論文でした。

ちなみに当院では最低6か月の経過観察をしています。というのも、じぶんの治療成績が国際基準と比較して劣っていないかを確認し、根管治療の治癒がちゃんと起きているか、起きていなければそれはほかの病気があるからなのか、根管治療でほかのアプローチをする必要があるのかを見極めるためです。一方、私はひらの歯科で7年目の勤務になりますが、根管治療後に破折を起こしてきたケースもあります。短期スパンの経過観察と長期での管理という2つの視点で経過を診ていく必要があるなと痛感しました。

 

 

非歯原性疼痛ってご存じですか

 

こんにちは。ひらの歯科の根管治療担当医です。

歯の痛みっていやですよね。

歯が痛いから先生治療してよーーー!!!

ということは日常よくありますね。

しかし実は痛みって奥深いんです。

根管治療の適応である痛みかどうか、また根管治療後の痛みであるならば、根管治療時の刺激ででた痛みなのかそうでないか、など鑑別が大切になります。

とくに根管治療しても痛みが消えない場合はかなり気を付けて観察しないと誤診をし、余計な治療、しなくてもよかった治療をしてしまうことがあります。

その代表格としてはこの非歯原性疼痛です。

筋筋膜性歯痛

神経障害性歯痛:三叉神経、帯状疱疹など

神経血管性歯痛:頭痛の関連痛

上顎洞性歯痛:副鼻腔内の炎症による

心臓性歯痛:狭心症や心筋梗塞、心膜炎

精神疾患・心理的要因歯痛:不安や抑うつ、心理社会的要因

特発性歯痛:検査をしてもわからない

そのほか疾患による歯痛:リンパ腫や肺がんなどで引き起こされる

 

といったものです。もちろん痛いのであれば除痛したいのは患者も歯科医師も同様です。

しかし、原因がわかってこその治療法です。

原因を見誤り、あるいは「治療してみよう!」では医療ではありませんし場合によっては痛みが増したり複雑化したり、原因という正解からどんどん遠ざかっていくこともありまして、歯科医泣かせになっていきます。。。

このように歯の病気だけではなく、全身の病気も関係しますから、

ぜひ困ってるときは特に、いろいろお話をしましょう。

想い

根管形成中の写真

こんにちは。ひらの歯科の根管治療担当医です。

ストーリーって大切ですよね。

大学病院時代は800人ほどの担当をし、独立してからも4000本以上を治療してきました。一方で根管治療って時間もかかるしお金もかかり、疲れてしかも痛いというイメージや2021年の論文でも「歯内療法」は3%しか一般消費者に認知度がないなど散々で、歯科医師のほうも保険診療だと不採算部門になりますし、難易度が高いケースが日常茶飯事にやってくるという双方に心のしわ寄せがある時間になっていることが多いと思います。

そこで私は、サイトをみていただいてきていただいた患者さんや歯科医師の先生にともに、あらためて「根管治療」に出会ってほしいと思っています。なにを言ってるんだと思うと思いますが、根管治療は患者の治癒力を引き出す医療的な治療です。つまり、かぶせ物やインプラントといった人工材料で補う治療でもなく、自分のちからで治ってもらう治療です。そこに出会ってほしいと思っています。治療の説明や治療時間、経過観察を通しての治癒体験、すべてにおいて保険診療だと時間が取れないことは歯科医師としても理解しています。だからこそ、これを読んでいただいている歯科医師の先生や患者さんには、根管治療に出会っていただきたい。そしてここひらの歯科でそれから始まる歯のストーリーを共有していきませんか。私はそんな想いでいます。

洒落た文具屋で見つけたおしゃれなしおりを、それを使うべく本を探しに入った本屋さんの隣にあるカフェで、バリスタがいれたコーヒーに酔いしれながら本に挟むときがあったとしたら、それはきっかけから始まるストーリーですよね。これはもう無敵のエピソードなんです。

そうした物語のきっかけは、腫れて痛くて来た患者さんを根管治療で治していく毎日のその時間に実は無数に転がっていると思っています。これを読んでいただいている歯科医師の先生、ぜひその歯のストーリーのきっかけを作らせていただけませんでしょうか。そう思っています。

 

そうそう、滅菌

滅菌された歯内治療に用いる器材たち

こんにちは。ひらの歯科の根管治療担当医です。

消毒:病原性のある微生物を害のない程度に減らす

殺菌:対象物に付着した菌を殺すこと(程度は関係ない)

滅菌:対象物を無菌に近づける行為(100万個に1個程度)

ということで、コロナ禍でいやというほど手指消毒に励みましたが、手指滅菌というのはできない(常在菌はいますからね)わけです。根管治療では相手は菌になりますから当然使用する器具は滅菌したものを用いたほうがいいわけです(第二種滅菌技士および第二種歯科感染管理者在籍しています)ね。またさらに治療のが進むにつれ歯の内部の菌がでてくると器材がそれに汚染されていきますので、ステージで分けています。

まず口腔内診査時、それからラバーダム使用後、それから根管充填時とトレイを三つ使用して、最終的に詰める器材や材料は汚染されないように滅菌されたてほやほやのものを使用しています。なかなかみえない部分ですけど、手間暇かけてしっかりとした医療ができるようにしたいですし、治療する歯科医師もそうした仕事をしたほうがやりがいになります。

スタンダードプレコーションという考えもあります。上記の考え方は治療の治癒率を上げる考えですが、同時に治療中に歯科医療者が感染しないように、どんな他人でも感染者だという考えのもと自分への感染を防ぐという目的もあります。この考えこそコロナ禍で広まりましたが、自分は自分で守る。ということですね。

治療と治癒の違い

根管が途中までしか追うことができなかったが、病変の治癒を認めた症例

こんにちは。ひらの歯科の根管治療担当医です。

歯科治療では入れ歯がはいった、銀歯が入った、など、人工物で補うイメージが多いのですが、根管治療はそうではありません。

人の手を歯に加え、人工材料で根の中を封鎖するのですが、その結果健康な骨や歯茎が維持できたり治癒する治療です。

よく治療したのになんで治らないよ。と思われる方もいるかもしれませんが、そもそもの状態での治癒の見込みと治療がどこまでしっかりできたか(物理的にできないこともある)、その結果治癒ができたか(体調不良や生活習慣が左右する)になります。

なので、治療は成功しても治癒しないことは起こりえます。医療ですからね。ひらの歯科では患者さんにはしっかり根管治療とは何ぞやと理解いただき、みえるわかる治療を心掛けていきます。

右上の症例は、根尖部の根管がすでにふさがってしまっているであろう症例ですが、病変の治癒が起きています。このように治療が不十分(物理的にですが)でも、治癒が成功する場合もあります。治癒する力ってすごいですね。

セカンドオピニオンとは?

他院よりセカンドオピニオンで精査目的で根管内診査し、破折線を認めた(赤矢印)

こんにちは。ひらの歯科の根管治療担当医です。

よくセカンドオピニオンということばを聞くようになりましたが、

意味を理解している先生や患者さんて少ないんじゃないかなあと感じています。患者さんご本人がインターネットなどで探されて違う歯医者にいかれる際に、「前の歯医者で抜歯と言われたので、どうか診てほしい」という主訴はよくあります。

しかしこれはセカンドオピニオンではないのです。

セカンドオピニオンを受ける側の歯科医師からすれば、前医がどのような状態だからどういう診断名にして、治療ををどう選び、その結果やはり抜歯だと伝えたのか、まるでヒントがありません。なので、ファーストオピニオンしか述べられないのです。

正解は、現在かかりつけの先生からセカンドオピニオンの依頼状を書いていただき、そして受診する。またもう一つポイントなのは、セカンドオピニオン依頼で依頼を受けた先生は治療しません。

かならず依頼を頂いた医院の先生のところに戻っていただき再度相談されてください。

改めて治療を希望される場合は御加療依頼の依頼状を書いていただいて、

依頼を受けた先生は依頼を頂いた範囲の治療をします。

ってややこしいやないかい!って思われるかもしれませんが、歯科特有の問題がはらんでいます。

それは歯科治療のほとんどが外科です。内科のように薬を出してどうのこうのではなく、削ってしまいます。解剖学的知識は歯科医にはあっても、前の先生がどう削ったかの知識はありません。多くの先生が手を付ければつけるほど原型からは離れていってしまうんですね。なので、どの先生がどこまでの範囲で手を付けるか。それを明確にしておかないと結局患者さんが損してしまいます。。。

根っこの治療ってどんな治療なの?

根管治療を行って周囲組織が治癒した一例

こんにちは。ひらの歯科の根管治療担当医です。

ここでは、根管治療について紹介します。

え?なんで?と思われるかもしれませんが、

3%ほどしか一般消費者に根管治療を知られていないといったデータも

あるくらい、実は無名です。(矯正とか口腔外科とか知られてますよねっ)

歯科の世界では保存治療という歯を残すための治療と補綴治療という歯を補う治療とがあります。そして、根管治療は歯内療法学というんですが、修復科、歯周病科とともに保存治療のなかの一分野なんです(細かいっ)

それで、歯の周りについた細菌とそれに伴う炎症→歯周治療、歯の中にばい菌が住み、神経まで到達したあるいは神経が死んでしまっている炎症→根管治療となります。神経抜きますねー!って言われてブルーな気分になった記憶がある方は、、決して歯科医師がブルーに陥れようとしたわけではなくて、ばい菌をとって、神経をとることで炎症を止めようっていう治療なのです。(説明って大事です)

抜髄処置

:神経にばい菌が感染し始め、炎症を起こしている時に炎症を止める

感染根管処置

:すでに神経は食い尽くされ、歯の中でばい菌が増殖し、歯の周りの組織に炎症を起こしているのを止める

根管治療はおおおおおおきく分けると上記二つになります。

いずれの場合も根管治療を行うことで、神経はないのだけれど虫歯になりにくい歯に仕上げることができるため、

歯は再生しませんが、歯の周囲の組織(骨や歯茎や、上顎洞粘膜など)は再生し治癒していきます。

そうすることで、まだ数十年ずっと使える歯になるんですね。

削ってしまったところはそのあと人工材料で補って噛んでもらいますが、

この根管治療のいいところは組織が再生してくるのでじぶんの治癒力を誘導できるっていうところにあります。

(もちろん医療行為ですからすべてが治るわけではないですよ)

そんな地味な部分の治療ですが、大事な治療なんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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